資源生物科学科は、革新的な食料生産と遺伝資源の開発・保存を可能とする最新のライフサイエンスを学び、食料生産や地球環境の保全などにまつわるグローバルな問題の解決を目指す学科です。生物が長い進化の歴史の中で培ってきた生体機構や生存戦略を学び、専門性と国際的視野をもって食料・環境などの諸問題解決に挑む人材を育成します。
たとえば、植物の遺伝子機能や情報伝達機構を分子・個体レベルで研究し、穀物や野菜の収量を飛躍的に増大させる方法を開発します。また、実験動物を使って神経系や内分泌系、発生などを研究し、動物生産へと応用します。あるいは、植物、昆虫、微生物の間の寄生や共生といった複雑な生命現象を個体、集団レベルで研究します。いずれも、生物の能力を資源として捉え、それを最大限に活かして食料を安全に生産し、人類の幸福に貢献することが目標です。また、SDGs(持続可能な開発目標)の目標である「SDG 2. 飢餓をゼロに」「SDG 3. すべての人に健康と福祉を」「SDG 7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」「SDG 14. 海の豊かさを守ろう」「SDG 15. 陸の豊かさも守ろう」などの実現に向けた研究も進めています。そのため、資源生物科学科では多種多様な生物種を研究対象にしているのも特徴のひとつです。
資源生物科学科では、生物学、化学を基礎として、遺伝学、生理学、形態学など、生物を多面的に解析し、理解するための知識を身につけます。また、食料生産や品質の向上につながる最新の知識や技術、生産や流通に関する社会科学、地球規模で起こっている食と環境にかかわる課題などを学びます。生物・薬品・食品関連産業や国家・地方公務員の技術職と総合職として必要とされる能力を習得します。