温暖化と動植物の環境適応を理解する

動物は日の長さや温度などの環境の変動を感知することで、季節の変化に巧みに適応していますが、温暖化によって様々な動植物の暮らしに影響がでています。私たちは動物の環境適応機構の理解を通じて気候変動の問題に貢献したいと考えています。
(動物統合生理学研究室)

二酸化炭素濃度の上昇を作物栽培に活かす

温化、降雨の不安定化など気候変動が作物生産の課題になっています。一方、大気CO2は増加し続けていますが光合成の促進を通じて作物生産にプラスになる可能性もあります。乾燥ストレスや高CO2に対する作物の生理生態的反応性を明らかにし、気候変動下での作物生産の安定化と向上に活用しようとしています。
(作物科学研究室)

洪水耐性イネを開発する

気候変動によって、今後地球規模で乾燥と多雨の2極化が進むと予想されています。特にアジアでは多雨による洪水の多発が心配されています。そこで我々は洪水に耐えるイネのメカニズムの解明を目指すとともに洪水耐性イネの開発を進めています。
(植物遺伝子機能研究室)

湿害耐性トウモロコシを開発する

気候変動によって気温や降水量などが変化することにより、将来的にこれまでのような作物の生産性が保てなくなる可能性があります。私たちは、この問題を解決するために、乾燥や洪水など環境ストレスに対する作物の適応能力とその利用に関する研究を行なっています。
(植物遺伝育種学研究室)

干ばつや洪水に強い作物を開発する

気候変動による干ばつや洪水に負けない作物を開発するためには、動的な土壌水分の変動に適切に応答することが必要です。私たちは、植物種や品種毎に根の形質が異なるしくみや環境依存的に変化するしくみを理解することを目指しています。
(発生学・システム植物学研究室)

塩害耐性イネの開発・栽培技術を改良する

気候変動により深刻化する塩害に対処するため、フィリピンやカンボジアの塩害地域の農家圃場を調査し、どのように塩害でイネ生産が低下するかを調べ、さらに塩害に負けないイネに必要な仕組みや、塩害を和らげる栽培技術の開発を目指しています。
(植物生理形態学研究室)

メタンガス排出を抑えた水田利用を目指す

水田はモンスーンアジア地域の食糧生産の基盤であるとともに、温室効果ガスであるメタンの主要な人為発生源の一つです。水田におけるメタンに関連する土壌微生物の生態に関する研究を行っています。
(耕地情報利用研究室)

気候変動に負けずに花と実りをもたらす

気候変動によって植物が花を作るタイミングがずれてしまうと、収量や品質の低下をもたらします。例えば気温上昇のために花を早く作りすぎると、十分な実りが得られません。私たちは気候変動に対して適切な時期に花をつくる植物を開発するために、花芽形成の決定的な誘導因子・フロリゲンの分子機能を解明する研究をしています。
(発生学・システム植物学研究室)