国連・食糧農業機関(Food and Agriculture Organization of the United Nations(FAO))※2022年1月まで所属

資源生物科学科卒業
大学院博士前期課程修了
大学院博士後期課程修了

I. N. 

日本に住む私たちの多くが、肉、乳製品、卵などの畜産物を毎日のように口にしています。また世界に目を向けると、穀物の育ちにくい乾燥地域に住む小規模農家のように、畜産による食料生産と収入に頼って生活している人々がたくさんいます。一方で最近では、畜産が地球環境へ与える負荷の大きさを指摘する声が高まってきました。私は現在、FAOでの畜産専門官としての仕事を通じて「世界の人々の食と環境保全とをどのように両立させるのか」という課題に挑戦しています。高校生の時に「もっと生物の勉強をしたい」と思って選んだ農学部では、哺乳類の体内で繁殖を制御するメカニズムに興味を持って研究に取り組みました。同時に、タイやカンボジアでの研修と研究交流を通じて、農学という学問が世界の食の安全保障に貢献できることを学びました。これらの知識と経験が、子どもの頃から抱いていた「国連機関で働きたい」という夢とも繋がり、今の仕事に至っています。