ゲノム編集技術は様々な遺伝子の機能を明らかにする

動物の巧みな生存戦略を解明するために、トランスクリプトーム解析やメタボローム解析などの網羅的な解析や遺伝学的解析によって見出した遺伝子の機能を、ゲノム編集技術を駆使して解明しています。

(動物統合生理学研究室)(動物遺伝育種学研究室)
(動物生殖科学研究室)(動物生産科学研究室)

ゲノム編集によって品種改良を高速化する

一つの品種を作り出すためには、10年近い年月がかかってしまいます。ゲノム編集技術は、その年月を大幅に少なくできる画期的技術です。そこで私たちは、トウモロコシやダイズなどの作物の品種改良に応用できるゲノム編集技術の開発に取り組んでいます。
(植物遺伝育種学研究室)

ゲノム編集によってトマトを改良する

トマトやコチョウランのゲノム編集を進めており、大きくて甘い「ゲノム編集トマト品種」の作出に成功しました。(園芸科学研究室)

ゲノム編集によって花芽のできるタイミングを改良する

フロリゲンは、植物が花芽をつくるための最強の運命決定因子です。私たちは、フロリゲンの機能をめぐるさまざまな遺伝子のゲノム編集により、植物が花芽をつくるタイミングを変化させる研究をしています。
(発生学・システム植物学研究室)

ゲノム編集で動物ゲノムの発現制御プログラムを書き換える

ゲノム編集技術は日々進歩しており、サイズが大きくて扱いが非常に難しかった遺伝子発現制御領域の動物個体での改変が今では容易になり、発生を制御する遺伝子の発現プログラムを書き換えることができるようになりました。このような最新の「ゲノム書き換え」技術によって動物に新しい機能を付与することを目指しています。 (動物遺伝育種学研究室)

ゲノム編集技術でガラクタと思われてきたゲノムの機能を解明する

ヒトゲノムの中で遺伝子の数は3~5万個ほどで、タンパク質を規定する部分は全体の1%程度です。一方、レトロトランスポゾンと呼ばれる転移性の配列が合わせて数百万コピーもあり、合わせてゲノムの約半分を占めています。これらはガラクタと考えられてきましたが、様々な機能を持つことが分かりつつあります。その機能を調べるため、ゲノム編集技術によってこれらのレトロトランスポゾン配列を細胞やマウス個体で取り除き、その影響を調べています。(ゲノム・エピゲノムダイナミクス研究室)

ゲノム編集技術でニワトリの遺伝子改変が容易になる

ニワトリは家禽・基礎研究・ワクチン生産など非常に重要な生き物にもかかわらず、卵黄が大きすぎるため顕微鏡下での遺伝子操作ができず、遺伝子改変が難しい生物でした。ようやくゲノム編集が可能となりつつあり、生殖細胞を特異的に光らせるニワトリの作製に成功しました。(鳥類バイオサイエンス研究室)