遺伝子の機能によって食料問題を解決する

世界各地に栽培されているイネのなかには収量を増加させる遺伝子や草丈を制御する遺伝子などが存在しています。このような農業にとって利用価値の高い遺伝子を見つけ出し、世界の食糧危機を救うためのイネの品種開発に応用しています。

(植物遺伝子機能研究室)

ゲノム情報を利用して品種改良に重要な遺伝子を発見する

「コシヒカリ」、「ひとめぼれ」、「あきたこまち」などは美味しい水稲品種として有名ですが、実は品種が異なるとゲノム情報には違いがあります。私たちは、イネ、ダイズなどの作物の数百にものぼる品種のゲノム情報を利用して、品種改良に重要な遺伝子の発見に取り組んでいます。

(植物遺伝育種学研究室)

DNAレベルで植物の優れた能力を解明する

SDGs達成、特に脱炭素社会を目指し、世界から収集したエネルギー作物ソルガムコレクションのゲノムDNAビックデータを基盤とし、雑種強勢(雑種一代が高バイオマスになる現象)、搾汁液高糖性など、植物の優れた能力の謎をDNAレベルで解明することで、育種学研究を進めています。

(植物ゲノム育種研究室)

作物の多様性の中から有用遺伝子を発見する

作物の収量やバイオマス、環境ストレス耐性などの農業形質は、ゲノム中に存在する遺伝子の機能によって決定されます。私たちは、イネ科作物の根の形質の多様性を利用して、気候変動下における農業に貢献する遺伝子の探索と機能の解明に取り組んでいます。また、同定した有用遺伝子を作物の育種に応用することを目指しています。

(発生学・システム植物学研究室)

遺伝子を利用して塩害に強いイネをつくる

特にアジア沿岸地域などで問題となっている塩害に強いイネを作るため、耐塩性イネ品種を作るための遺伝子や遺伝子座を見つけようとしています。

(植物生理形態学研究室)

鶏の遺伝資源を使って新たな品種の開発する

名古屋コーチン(正式には名古屋種)などの国産地鶏の鶏肉は、スーパーで販売されている普通の鶏肉より、コクがあり美味しいです。しかし、成長が遅いとか、肉付きが悪い、気性が荒いなどの短所があります。日本鶏や外国産鶏の遺伝資源を利用して、これらの短所を改善できる優良な遺伝子を探索しています。将来的には、新しいスーパー国産地鶏品種の開発を目指しています。

(動物遺伝育種学研究室)

DNA配列から表現型を予測する

実際のイネ育種を模した大規模な実験集団を用い、DNAの塩基配列情報からそれぞれのイネ個体の表現型を予測する研究を行っています。

(耕地情報利用研究室)